BMerge

2 個のファイルに記された分子を一つのファイルにまとめます.
分子どうしが重なり合わないように分子の位置を調整したあとで出力します.

当サイトで開発している GUI 版の分子モデリングソフト Builcule でいうと,ファイルオープン,分子の選択とコピー & ペースト,分子の位置を調整,ファイル保存をひとまとめにした機能です.

ビルドとインストール

ソースファイル

ビルドとインストール

ダウンロードした bmerge-1.0.0.tar.gz を解凍し,生成するディレクトリに移動します.
~$ tar -zxvf bmerge-1.0.0.tar.gz
~$ cd bmerge-1.0.0
Makefile 作成ツールには,Automake を使っています.Automake の常法どおり,
~/bmerge-1.0.0$ ./configure
~/bmerge-1.0.0$ make
~/bmerge-1.0.0$ sudo make install
とすれば,/usr/local/bin に bmutate がインストールされます.

アンインストール

実行ファイルがインストールされるだけなので,これを削除してください.
~/$ sudo rm /usr/local/bin/bmerge

不具合

不具合ではなくアイデアなのですが,一つのファイルに含まれている分子の位置関係を保持しつつマージするという手もあります.
現在は,マージした分子は元の位置関係が保存されません(混合した後,撹拌されるイメージ).
必要が生じたらオプションとして追加します.

改定履歴

2023 年 11 月 8 日 : 1.0.0 リリース.

マニュアル

ファイル形式

オプション

ショートオプション(1 ハイフン + 1 文字)のみ使えます.
binter i:j:o:hv

使用例

~$ bmerge -iwk/tmp0.bcl -jwk/tmp1.bcl -owk/tmp2.bcl
wk ディレクトリの tmp0.bcl と tmp1.bcl を入力ファイルとし,これらのファイルに含まれる分子を,重なり合わないように位置を調整した上で wk ディレクトリの tmp2.bcl というファイルに出力します.

入力構造 1

16 個の水分子

画像は,Builcule で 16 分子の水を作成したところです.
[実験]-[分子間相互作用] で凝集させたあとで,[表示]-[空間充填] で表示しています.
作業ディレクトリに tmp0.bcl という名前で保存しました.

入力構造 2

NaCl * 2

画像は,Builcule で NaCl を 2 ペア作成したところです.
[実験]-[分子間相互作用] で凝集させたあとで,[表示]-[空間充填] で表示しています.
作業ディレクトリに tmp1.bcl という名前で保存しました.

出力構造

食塩水(相互作用評価前)

~$ bmerge -iwk/tmp0.bcl -jwk/tmp1.bcl -owk/tmp2.bcl
という感じでマージし,出力ファイル tmp2.bcl を Builcule で開いたところです.
[表示]-[空間充填] で表示しています.
塩水ができました.

おまけ

食塩水(相互作用評価後)

BCMD シリーズの目的のひとつは,計算化学ソフトウェアの入力構造を作成することです.
そのイメージをお伝えするために,Builcule の [実験]-[分子間相互作用] で相互作用シミュレーションをおこなってみました.

画像はその結果です.
2 個の Na と 1 個の Cl が会合してしまいました.1 個の Cl は圏外に弾かれてしまいました.
Builcule のシミュレーション機能はまだまだのようです.