BPeptGen

配列を直接指定,Fasta ファイルを指定,あるいは設定ファイルを指定することにより PDB 形式のペプチドを生成します.
生成したペプチドは OpenBabel でエネルギー極小化して PDB 形式として出力します.
GUI 版分子モデリングソフト Builcule と比べて,生成するペプチドの性質を細かく設定できます.

生成するペプチドのイメージ

bpeptgen で QWERT を作成し,Builcule で開いたところ

画像は bpeptgen でペプチド QWERTY を作成し,Builcule で開いたところです.
主鎖が直線上に伸びたコンフォメーションで生成します(画像では横方向).

ビルドとインストール

ソースファイル

ビルドとインストール

ダウンロードした bpeptgen-1.0.1.tar.gz を解凍し,生成するディレクトリに移動します.
~$ tar -zxvf bpeptgen-1.0.1.tar.gz
~$ cd bpeptgen-1.0.1
Makefile 作成ツールには,Automake を使っています.Automake の常法どおり,
~/bpeptgen-1.0.1$ ./configure
~/bpeptgen-1.0.1$ make
~/bpeptgen-1.0.1$ sudo make install
とすれば,/usr/local/bin に bpeptgen がインストールされます.

アンインストール

実行ファイルがインストールされるだけなので,これを削除してください.
~/$ sudo rm /usr/local/bin/bpeptgen

BPeptGen 補足:ペプチド数と鎖長の上限を変更する場合

ソースコードにはペプチド数の上限を 100,鎖長の上限を 70 と記しています.
変更する場合は,下のように変更してビルドしてください.

不具合

改定履歴

マニュアル

下記の方法でペプチドを生成します.
[1] 配列を直接指定 (s オプション)
[2] 配列を記した FASTA 形式のファイルを指定(f オプション)
[3] ペプチドの設定を記したファイルを指定(r オプション)

オプション

bpeptgen hvs:frw:
・s: 配列を直接指定してペプチドを生成するオプションです
・f FASTA ファイルからペプチドを生成するオプションです
・r 設定ファイルから乱数でペプチドを生成するオプションです
・w: 作業ディレクトリを指定します
・h ヘルプを表示して終了します
・v バージョンを表示して終了します

ショートオプション(1 ハイフン + 1 文字)のみ使えます.

生成するペプチドについて

生成するペプチドは,多少特殊な PDB 形式で記述されています.
これは OpenBabel の仕様で,エネルギー極小化の計算結果として出力されるファイルをそのまま使っているためです.
・原子の情報には,非タンパク質を示す接頭辞 HETATM が記述されます
・多重結合は,CONECT 行に同じインデックスが重複して記述されます
・通常の pdb 形式と区別するために,libbuilcule では拡張子を pdh としています.これは当サイトでのみ通用する「方言」です

生成するペプチドは,直線的なコンフォメーションです.
・OpenBabel でエネルギー極小化済みです
・コンフォメーション探索していません
・pdh ファイルの名前は連番としています
・配列を記した bpg.fasta という FASTA ファイルも作業ディレクトリに生成します
・配列の重複はチェックしていないので,同一のペプチドが生成する場合があります

作業ディレクトリについて

作業ディレクトリは, -w に続けて指定してください.
相対パスでも絶対パスでも構いません.
-w を省略するとカレントディレクトリと解釈します.
同じ名前のファイルが生成する場合は上書きします(したがって作業ディレクトリは空が望ましい).

入力するペプチドについて

アミノ酸の略号は 1 文字法を使っています.大文字小文字は問いません.
誤ったアミノ酸記号はグリシンと解釈します(zx123 は GGGGG と解釈します)

使用例

[1] 配列を直接指定

bpeptgen -s 配列 -w /作業ディレクトリ

例:
~$ bpeptgen -s QWERTY -w /home/User/wk
とすると,/home/User/wk に,0.pdh,bpg.fasta というファイルが生成します.
bpg.fasta には,引数で指定した配列が記されます

[2] FASTA ファイルからペプチドを生成

配列を記した bpg.fasta というファイル(他のファイル名は受け付けません)を作業ディレクトリに置き,
bpeptgen -f -w /作業ディレクトリ

例:
作業ディレクトリを/home/User/wk とし,bpg.fasta の内容を

>
qwerty
>
asdfgh

とします.その上で,
~$ bpeptgen -f -w /home/User/wk
とすると,/home/User/wk に 0.pdh,1.pdh というファイルが生成します.

[3] 設定ファイルから乱数を使ってペプチドを生成

bpg.rnd という設定ファイル(他のファイル名は受け付けません)を作業ディレクトリに置き,
bpeptgen -r -w /作業ディレクトリ

例:
作業ディレクトリを/home/User/wk,bpg.rnd の内容を

Size 20
Length 10
AA ASDFGH
Fix 6 Y

とします.
~$ bpeptgen -r -w /home/User/wk/
とすると,/home/User/wk に 鎖長 10 のペプチドが 20 個生成します.
配列は,6 位は チロシン,他は A,S,D,F,G,H のいずれかとなります.

補足
・Size,Length,および AA を複数回設定すると後の設定が優先されます
・AA や Fix は必須ではありません
・Fix で同じ位置を複数回指定した場合は,後の設定が優先されます